サッカー育成日記 現在、小学校2年生の息子の運動能力向上のために、毎朝1時間ほどサッカーやってます。目指すは、ファンタジスタ！

給料が豪ドルで出るため，こちらに来てから結構為替を気にするようになりました。私がこちらに来た時は94円だったわけですが，リーマンショック時には50円台まで下がってしまい，その間消費者の立場では，日本のカードでいろいろと安くお買い物ができてよかったのですが，日本経済のことを考えるとかなりの大打撃だったのは言うまでもありません。

さて，最近またまた円高基調が止まりません。今年の4月頃には，1米ドル＝92，3円当たりでしたが，6月下旬には90円を割り，現在はリーマンショック時と同じく86円台まで下がっています。

円高の場合，輸出企業は，製品を海外で売った代金を安くなったその国の通貨でもらい，それを円に換金するわけですから，当然のごとく大きく減収となってしまいます。簡単に言えば，100万円の車があるとして，1ドル＝100円の時は，1万ドルで売った場合その価値は100万円となりますが，仮に80円まで円高となった場合，1万ドルで売った場合，その価値は80万円まで下がってしまい，企業はその分損失を被ることになります。まあ，実際はそこまで単純ではありませんが。

したがって，海外で売り上げ拡大を図っている輸出企業は，行き過ぎた円高に危機感を強めます。たとえば，トヨタの場合，想定レートとしては90円であり，そこから1円円高が進むたびに300億円の赤字になるそうです。トヨタの場合，北米での売り上げが全体の3割を占めているため，かなりその損失は大きくなります。

じゃあ，なぜここまで円高が進むのか。正直，ここまでだめだめな日本経済に魅力があって日本円が買われているわけではないと思います。アメリカは，オバマのバラマキ政策により日本と同じく巨額負債国家となっており，その解決をドル安（円高）によって解消しようと企んでいるという識者もいます。なぜならドル安が進めば，その貨幣価値が低下するため，自然とインフレの方向に進むからです。

じゃあ，なぜ円がターゲットにされているのか。今やユーロはギリシャ危機などで全く標的にならず，中国の人民元は意図的管理為替操作によりドルとリンクしていて，逆に元安となっています。そこで，対象となるのが，政府が何の手立ても取らず傍観している円です。

実際，これだけ円高が進み，日本の基幹産業である自動車や家電メーカーが深刻なダメージを受けているというのに，日本政府や日銀は為替介入など必要な措置を取ろうとしておらず，消費税議論を始めようとしてます。増税すれば，ますます個人消費は冷え込み，デフレが一層進行します。結果，企業の体力は削られていくのみで，国際競争力も失っていきます。まさに負のスパイラルです。消費税議論はこの先必要なことですが，まず政府，日銀がすべきは為替の安定化です。